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九段 萩原淳
食事とおやつについて
その他
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>>萩原氏は考へた。必死に考へた。
(中略)
花田さんも今はこれ迄と観念したか、ツと起つて、手提の中からチョコレートを一個つまみ出し、「勝者を祝福して」といつて萩原氏に呈した。
萩原氏はおいし相に、チヨコレートを頬張りながら、「タマには私にも勝たして下さいよ」
>>と、嬉しそうに軽口を叩いた
(出典:「勝者を祝福して花田八段の贈物」『講談倶楽部』1940年12月号より 適宜改行を施した)
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食事から八段をのぞく
名人決定戦は、他の将棋と違つて、なか/\精力の消耗するものと見え、食ひものゝ選択が作戦の一つになつてゐる。
昼食抜きは、花田八段と、近頃神田八段がやりはじめた。
一体、食事から見た、各八段の好物はどんなものだらうか、御披露に及ぼう。
神田八段は、その体質がものをいつて、「柳川」を常食としてゐる。
胆汁質組の土居、木村両八段は、「鰻」が大変な好物で、食事の注文は「鰻めし」にきまつてゐつ。
神経質組の花田、金子両八段は、すつぽんの雑炊を第一に時に長駆お座敷テンプラに出かけることもある。
金、萩原両八段は、要するに何んでも来いだが、とりたてていふと、洋食弁当である。
金子八段は、夏になるとさすが生粋の江戸子だけに、盛に「もり」をつる/\とやる、その食ひつぷりも洗練されたものである。
木見八段となると、日本料理一点張り、御機嫌のいゝときは、自ら市場に足を運んで材料を買出し、手料理に及ぶといふ隠し芸をもつてゐる。
酒は、木見、土居、金子、花田各八段が屈指の豪のもの。
木村、萩原、神田の各八段は、一杯の酒に真ツ赤になる下戸党である。
(出典:「本社独占名人決定大棋戦譜. 第三輯」33pより)
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