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九段 熊谷達人

食事とおやつについて

好き

• ユーモリストで、酒を愛した。三十四年、A級八段に昇るが、大願成就のために熊谷は酒を断つ。
  もっとも、酒の中で最も好きなハイボールだけ飲まないという断ち方だった。
  (出典：週刊将棋1989/4/12より　適宜改行を施した)
  

その他

• 
  "お頭つきの鯛"
  　天王寺中学を卒業して竹村綿業株式会社の貿易課に入社した。
  　大阪将棋連盟の奨励会手合は毎月第一、第三日曜と決っているので、勤務のかたわら対局するのに支障がなかったし、先輩が対局の時に記録係を命ぜられると公然、会社から休みをもらった。会社でも「熊谷の特殊技能」として寛大な認め方をしていた。
  （中略）
  　母は「対局する以上は勝った方がよい」と思ったので、息子の技倆のほどは解らなくとも対局の日というと必ず鯛の「お頭つき」を朝の食膳にのせた。
  　自分では、そんな鯛など食べる時もあったりなかったりだが、局面がふんきゅうして来ると、不図、母が苦心して姿よく焼き上げてくれた今朝の鯛が目に浮ぶ。「それが、どんなに力づけてくれたかわかりません」と熊谷八段。
  　六段になるまで会社員と棋士の二重生活――これは珍しいケースだ。
  （中略）
  　極楽トンボらしく、好きなウィスキーを、そこここと飲み歩く。若きサラリーマン、新進棋士で小遣い銭も貧弱でない。まして陽気な性分ときているから、飲むほどに酔うほどに歌も出る。
  　それが「八段になるまではハイボールを絶とう」と誓った話はほほえましい。
  　カクテルやストレートの中でハイボールが一番おいしいという。「禁酒」といわずに、酒の中のハイボールだけを断って、神様に義理立てをするところ、いかにも極楽鳥らしい。
  (出典：近代将棋1959年7月号「極楽鳥」中村完一 より)
  

リーグ戦

トーナメント戦

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