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名誉名人 土居市太郎

食事とおやつについて

好き

• 豆腐
  
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  「全く、ひどいもんじゃよ。いまから思うと、隔世の感がある」と長老は苦しかった修行時代を語る。
  日本一といわれる関根ですら、住むに家なき有様だ。
  土居は、まい日、豆腐を食べた。いまも、豆腐は好物の一つだが、それは若き日の思い出の種なのであろう。
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  (出典：「将棋名勝負物語」原田泰夫 天狗太郎 時事通信社 1972より　適宜改行を施した)
  
• 魚
  
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  土居先生は四国の松山の出身だから、子どものときから魚が好きなのね
  魚河岸の仲買業者に指導に行って、僕はその帰りにお寿司をご馳走になるんだけど、
  そのときに魚をもらうのが土居先生はうれしくってね。
  それを僕が抱えて大船の自宅までご一緒する。
  （中略）
  土居先生はきちっとした人で、すべてに節度がありましたね。
  お酒がお好きで、昼はザル蕎麦以外食べたのを見たことがない。
  夜のお酒をおいしく飲むためなんですね。
  夕食の時はお銚子を3本飲んでから少考する。
  それで「今日は気分がいいからもう1本」ということになっても、その1本でピシャッとやめた。
  それがリズムでした。
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  (出典：将棋世界74(10)「"怒涛流"我が勝負人生」 大内延介九段インタビューp.23.24より　適宜改行を施した)
  

その他

• 食事から八段をのぞく
  　名人決定戦は、他の将棋と違つて、なか／＼精力の消耗するものと見え、食ひものゝ選択が作戦の一つになつてゐる。
  　昼食抜きは、花田八段と、近頃神田八段がやりはじめた。
  　一体、食事から見た、各八段の好物はどんなものだらうか、御披露に及ぼう。
  　神田八段は、その体質がものをいつて、「柳川」を常食としてゐる。
  　胆汁質組の土居、木村両八段は、「鰻」が大変な好物で、食事の注文は「鰻めし」にきまつてゐつ。
  　神経質組の花田、金子両八段は、すつぽんの雑炊を第一に時に長駆お座敷テンプラに出かけることもある。
  　金、萩原両八段は、要するに何んでも来いだが、とりたてていふと、洋食弁当である。　
  　金子八段は、夏になるとさすが生粋の江戸子だけに、盛に「もり」をつる／＼とやる、その食ひつぷりも洗練されたものである。
  　木見八段となると、日本料理一点張り、御機嫌のいゝときは、自ら市場に足を運んで材料を買出し、手料理に及ぶといふ隠し芸をもつてゐる。
  　酒は、木見、土居、金子、花田各八段が屈指の豪のもの。
  　木村、萩原、神田の各八段は、一杯の酒に真ツ赤になる下戸党である。
  (出典：「本社独占名人決定大棋戦譜. 第三輯」33pより)
  
• >>内證事だがいはう、昨夜花田八段は指掛け後、贔屓の銀座裏の天麩羅屋はげ天にゆかうと誘つたが、
  >>土居八段は「キッ先が鈍るといけないから」と、肯じなかつた。
  >>無論笑ひながらではあつたが、その眞劍な氣持はハッキリを感じられた。
  (出典：倉島竹二郎『東京日日新聞』1937年4月1日付より　適宜改行を施した)
  
• 　対局中対手があまり長思案するので、土居八段はすっかししびれを切らし「ちょっと」と席を立つと、そのまま銀ブラとでかけ、
  何処かで紅茶を飲んで帰って来て、一手を指し、またぶらぶらと銀座を一廻りして来た。
  こうした話に、鹿爪らしい理屈は一切抜きだ。
  僕が考えても、棋界で土居八段以下の物が、こんな真似をしたら恐らく気障で見ていられないだろう。
  (出典：「菅谷北斗星選集 秘録篇」菅谷北斗星 日本将棋連盟 1978より　適宜改行を施した)
  

タイトル戦

トーナメント戦

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